人工呼吸器(じんこうこきゅうき、英:Mechanical ventilator)とは、数時間から数年と言う長い時間に渡って人工呼吸を自動的に行うための医療機器である。
かつては首から下の全身を機械の中に入れ、その機械の中を陰圧(1気圧以下の気圧)として胸腔に空気が吸入されるようにすると言う「鉄の肺」が一部の病院で使われていた。これは大掛かりな設備であり、受けられる患者も限られていた。
やがて気管挿管が一般的になると、その挿管チューブを介して空気を出し入れする現在の方式が広まっていった。
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現在では呼吸の状態を様々な形で持続的に測定する機能のついたもの、呼吸器の離脱を自動的に進めて行くもの、在宅人工呼吸に使用する小型で医療従事者以外でも操作できるもの、マスクを使用し気管挿管の必要ないもの(非侵襲的人工呼吸)まで実に様々な種類が使われている。しかし、それぞれに操作が異なり、また独自の動作モードや作動原理を持ったものが特に新しい機種に多く、医療事故の一因ともなる。その一方で、医療事故を防ぐための機能もまた新しい機種ほど備わっているのも事実である。
適応 [編集]
用手人工呼吸の適応となる心肺蘇生とは違い、様々な病態によるあらゆる呼吸不全がその適応となる。その原因は何か、急性期か慢性期かによって使用する機種や動作モードも異なってくる。
人工呼吸器に行われる換気経路は一般に以下の3つの場合がある。
気管挿管
緊急時、または手術時における最も迅速・確実な気道確保である。しかし常に抜去事故の危険をはらんでおり、また肺炎(下記)の危険もあることから長期に及ぶ場合には気管切開に移行する。
気管切開
主に2週間以上の長期に渡る経気管による人工呼吸管理に用いられる。在宅での管理に向く。家族も訓練を受ければ気管吸引や呼吸器の操作などが出来る。死腔が少ないという利点もある。
マスク
非侵襲的陽圧換気(Non-invasive positive pressure ventilation:NIPPV)に対して用いられる。着脱が容易であり、睡眠時無呼吸症候群などの場合のように患者による自己管理も可能である。しかし長期に装着しつづける場合、マスクの圧迫により褥瘡を生じる。
他に特殊な状況下において喉頭穿刺などの方法がある。